産廃の講習会は代表者以外が受講してもよい?受講できる人を解説

「社長が現場を離れられないので、ほかの役員に講習会へ行ってもらいたい」。産廃許可の準備では、こんなふうに受講する方を決めるところから迷うこともあると思います。

代表者以外の方の修了証を、許可申請に使える場合があります。ただし、役職や担当区域などの条件があります。講習会を申し込む前に、「この方の修了証で申請できるか」を確認しておくと安心です。

この記事では、法人・個人事業主それぞれで誰が受講者になれるのか、政令使用人とは何か、そして受講後に人事異動があった場合の注意点までを整理します。

※本記事は普通産業廃棄物の収集運搬業を前提とした全国向けの解説です。認められる受講者の範囲、監査役や政令使用人の扱い、必要な証明書類は自治体によって異なります。受講者を決める前に、必ず申請先自治体へご確認ください(情報確認日:2026年10月8日)。

先に確認したいこと
  • 社長以外の方の修了証を使える場合があります。役職や担当する事業場、申請先の基準を確認します。
  • 講習を受けられることと、許可申請に使えることは別です。一般の社員の方も受講できますが、その修了証で会社の許可要件を満たせるとは限りません。
  • 受講者が交代したときは、新規・更新のどちらの講習を選ぶかも申込み前に確認しましょう。

講習会の受講自体には、原則として特別な資格はありません。この記事では、自社の許可申請に使う修了証を、誰に取得してもらうかを中心にご案内します。出典:JWセンター「代表者・役員以外の受講」

目次

誰に受けてもらう?立場ごとの早見表

受講予定の方許可申請に使うときの確認
法人の代表者・業務を行う役員候補になります。役員の職務と申請先の基準を確認します。
支店長・営業所長など肩書だけでは決まりません。契約を結ぶ権限や担当区域など、政令使用人の条件を確認します。
一般の社員・事務担当者受講自体は可能です。会社の許可申請に使う場合は、必要な立場・権限を満たすか確認が必要です。
個人事業主本人、または条件を満たす政令使用人が候補です。家族というだけで代わりになれるわけではありません。

これは候補を整理するための目安です。たとえば神奈川県では、業務を行う役員から監査役を除き、政令使用人の担当区域にも条件を設けています。出典:神奈川県・新規許可申請の手引き(本文6・8ページ)

法人の場合:代表者以外の候補

法人の許可申請に使う修了証は、次のような立場の方が候補になります。

代表者

代表取締役など、法人を代表する方です。通常、許可申請に使う修了証の受講者として候補になります。

業務を行う役員

産廃事業に関して業務を行う役員です。ここで注意点があります。

神奈川県の手引きは、業務を行う役員から「監査役を除く」と明記しています。

役員であればすべて認められるわけではなく、監査役は対象外とする自治体があります。「役員だから大丈夫」と考えず、その役員の職務内容と、申請先の扱いを確認してください。

政令使用人

支店などの代表者が当てはまる場合があります。ただし、肩書だけでは決まりません。実際に任されている仕事と権限を確認します。

  • 支店等の代表者であること
  • 収集運搬等の契約を締結する権限を継続的に有すること

神奈川県の手引きでは、政令使用人について、産業廃棄物処理委託契約を結ぶ権限を確認できる書面も求めています。役職名だけでなく、実際にどのような権限を持っているかを確認します。

さらに、神奈川県では政令使用人を「県所管区域を事業活動の範囲とする支店等の代表者」に限定して案内しており、事業区域の要件を設けています。

つまり、政令使用人として受講者にする場合、肩書だけでなく、権限・事業区域を示す組織図、辞令、証明書などで確認される場合があります。「支店長だから政令使用人だろう」という自己判断は避けてください。

個人事業主の場合:本人以外でもよい?

個人事業主の許可申請では、次の方の修了証が候補になります。

  • 個人事業主本人
  • 条件を満たす政令使用人

注意したいのは、「配偶者だから」「従業員だから」という関係だけでは足りないという点です。家族や従業員であっても、それだけで受講者として認められるわけではありません。政令使用人にあたるかどうかは、法人と同様に権限などで判断されます。

一般社員を受講者にするときの注意

一般の社員の方が、知識を身につけるために受講することはできます。ただし、会社の許可申請のために受講する場合は、その方の修了証が申請に使えるかを先に確認しましょう。

単なる従業員の修了証は、申請者の「知識・技能」の証明として認められない可能性があります。

講習会は、申請者(法人・個人事業主)が知識・技能を有することを示すためのものです。事業の意思決定や契約に関与しない一般社員が受講しても、その証明にならない、という考え方です。

部長・課長・現場責任者など、その方の立場で申請に使えるか分からない場合は、申込み前に、役職・登記の有無・委任されている権限・担当区域を具体的に伝えて、申請先自治体に確認してください。受講後に申請へ使えないと分かると、別の方の受講を改めて手配することになる場合があります。

受講後に人事異動・退任した場合

見落とされやすいのが、受講後の人事異動です。

問題になるのは、申請の時点で、受講者が認められる地位にあるかという点です。講習会を受けた役員が、申請前に退任していたり、担当から外れていたりすると、その修了証が使えなくなる可能性があります。

次の点は、必要に応じて申請先自治体へ確認してください。

  • 講習会修了者が退任・異動した後の取扱い
  • 変更届が必要になるか
  • 次回の更新への影響

受講をお願いする前に、申請までの人事の予定も確認しておくと安心です。退任や異動の予定がある場合は、その修了証を使えるか、別の方の受講が必要かを申請先へ確認します。

受講者選びのチェックリスト

受講者を決める前に、次の点を確認してください。

  • 申請するのは法人か個人か
  • 申請地域(政令使用人の事業区域要件に関わる)
  • 受講予定者の役員登記の有無
  • 受講予定者の契約締結権限の有無
  • 受講予定者の勤務先(本店か支店か)
  • 受講予定者が申請時にも在籍している見込みか
  • 修了証の有効期間の扱い

分かる範囲で整理し、申請先へ確認してから申し込むと、受講者や課程の選び直しを防ぎやすくなります。

申込み前は、この3つを順番に確認

STEP
申請する地域と受講予定者を確認

法人か個人か、申請する都道府県、受講予定の方の役職・権限を整理します。複数の地域へ申請する場合は、それぞれの基準を確認します。

STEP
課程と修了証の期限を確認

新規・更新のどちらの課程が必要か、手元の修了証が使えるかを確認します。受講者が交代した場合や、初めて受講する場合は、会社の更新申請だから更新講習でよいとは限りません。

STEP
試験日だけでなく、修了証が届く時期から逆算

申請の予定や現在の許可期限に合わせて、会場・試験日・修了証の発送予定を確認します。オンライン形式でも会場での試験が必要です。

日程や空き状況は変わります。JWセンターの講習会案内と修了証の発送予定をあわせてご確認ください。

よくある質問(FAQ)

取締役なら誰でも受講者になれますか?

役員であっても、すべてが認められるとは限りません。産廃事業に関して業務を行う役員が対象で、監査役を除くと明記している自治体があります(神奈川県の例)。役員の職務内容と申請先の扱いを確認してください。

監査役の受講でも認められますか?

認められない場合があります。神奈川県の手引きは、業務を行う役員から監査役を除くと明記しています。監査役を受講者にする予定がある場合は、必ず申請先自治体に確認してください。

支店長・工場長・部長は政令使用人になりますか?

肩書だけでは判断できません。政令使用人にあたるかどうかは、本店・支店の代表者であるか、収集運搬等の契約を締結する権限を継続的に有するかなどで判断されます。自治体によっては事業区域の要件もあり、権限を示す組織図・辞令・証明書などを求められることがあります。

一般の社員も講習会を受けられますか?

はい。受講自体は原則として可能です。ただし、その方の修了証を会社の許可申請に使えるかは別に確認します。役員や政令使用人などの要件に当てはまるかを、申込み前に確認しましょう。

行政書士が代わりに受講できますか?

申請代理人の行政書士が、お客様の代わりに講習や試験を受けることはできません。申請代理人の修了証では、お客様の会社や個人事業主としての知識・技能の証明にならないためです。当事務所では、受講者・課程の確認や申込みの準備をお手伝いします。

受講した役員が退任したら講習会を受け直す必要がありますか?

申請の時点で、受講者が認められる地位にあるかが問題になります。受講した役員が申請前に退任している場合、その修了証が使えなくなる可能性があります。退任後の取扱いや変更届の要否、次回更新への影響は、申請先自治体に確認してください。

受講する役員が交代しました。会社の更新申請なので、更新講習でよいですか?

会社の申請区分だけでは決められません。JWセンターは、前任者から交代した新しい代表者・役員について、原則として新規許可講習会を案内しています。一部の自治体では更新課程も認められるため、申込み前に申請先へ確認してください。JWセンターの案内

申請する県とは違う県の会場で受けても大丈夫ですか?

JWセンターの修了証は、受講した県以外の都道府県・政令市の許可申請にも使用できます。近くの会場が満席なら、他県の会場も候補になります。ただし、必要な課程・受講者の立場・修了証の有効期間は、申請先ごとに確認してください。JWセンターの案内

試験が終われば、すぐに申請できますか?

試験日と修了証を受け取る日は別です。修了証の発送予定を確認し、申請先の必要書類や受付時期に合わせて準備します。許可期限が近い場合は、試験日だけを見て「間に合う」と判断せず、早めに申請先へ相談しましょう。修了証の発送予定

手元にある修了証を、そのまま使えますか?

修了証の課程・修了日・受講者を確認します。有効期間や、いつの時点で有効である必要があるかは申請先によって異なります。複数の地域へ申請する場合も、それぞれの取扱いを確認してください。JWセンターの案内

講習会の予定と、申請の準備を一緒に整理します

「誰に受けてもらえばよいか」「今の修了証が使えるか」「許可期限までに何を準備するか」。一つずつ確認するのが大変なときは、今の状況からご相談ください。

最初に分かる範囲で教えてください
  • 申請したい都道府県と、新規・更新の別
  • 受講予定の方の役職(代表者・取締役・支店長など)
  • 現在の許可期限、手元の修了証の課程・修了日
  • すでに予約した講習会・試験日があるか

当事務所では、受講者・課程の確認や講習会の申込みサポートから、産廃許可の申請までお手伝いしています。基本的にお忙しい会社のお邪魔をしないよう、必要最小限のご連絡でお手続きを進めています。講習の受講・試験は受講者ご本人に行っていただきます。

講習会から申請までお手伝いした事例

福岡県の更新案件では、講習会の申込みをお手伝いし、別会場に空きが出た際にお客様へご連絡して会場を変更しました。修了証をお預かりしたあと、申請へ進めた事例です。同じ日程で対応できるというお約束ではありませんが、講習と申請準備を並行して進めるイメージとしてご覧ください。

執筆者・確認日・公式の確認先

執筆・確認:行政書士 岡田百花(山口県行政書士会登録 第24350976号)
確認日:2026年10月8日

本記事は普通産業廃棄物収集運搬業の講習会についての一般的なご案内です。修了証の使える範囲や必要書類は申請先・申請内容によって異なります。お申込み前に、申請先自治体とJWセンターの最新案内をご確認ください。

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